逮捕されるまで・苦役列車
歯軋りするほど、時々怖くなる。
車を運転している時、前の車のタイヤが
突然、バコッと取れて、フロントガラスに直撃しそうでね。
たぶん、そんなシーンを何かの映画で観たからでしょう。
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市橋達也の逃亡手記「逮捕されるまで」を読む。
購入時に『被害者とその家族』
『企画者と出版社の皮算用』などが交錯し、買うのをためらった。
しかし犯罪者の生の言葉を読みたいという気持ちは抑えらなかった。
すぐに読了。
コイツは、人の命を奪っておいて、逃亡中、生きる充足感を得ていやがった。
もし、この男が、事件前に、逃亡中のように必死に働き、
必死に他人と接する経験をしていたら、被害者は死なずにすんだと思う。
あとは、日本は、その気になれば犯罪者でも身を隠して、
大金を貯める事ができる国なのだと、ちょっと驚く。
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芥川賞受賞の「苦役列車」読了。
題名から蟹工船的内容を想像していたが現代に生きるロクデナシの話。
選者の方々は「破滅的」「おぞましさ」など語っているけど
意外と普通の男は主人公と似たような事考えていると思う。
痛快。途中何度も声を出して笑ってしまった。
文学的下ネタが最高。
怒られる事を承知で書くが、この二つの作品は、
どん底でもがく人間が、必死に生きていこうとする
フィクションでない(と思われる)部分が似ている気がした。
言うまでもないけれど、
当然クオリティは天と地どころか、
地球と、地球から20万光年離れたグリーゼ581ぐらい違う。